“MINATO MIRAI 21 Activation Program”にエントリした企画を公開します

21世紀の社会インフラとなる「都市のデジタルツイン 」の構築と運営を提案

MM地区ビジネスエコシステム形成プログラム実行委員会主催の”MINATO MIRAI 21 Activation Program(MAP)”の第2期プログラム募集に、Civic techならではの発想を盛り込んだ企画をエントリしました。 残念ながら採択には至りませんでしたが、エントリした企画「21世紀のデジタルインフラ「デジタルツインみなとみらい」の構築と運営」の内容を公開します。私たちCode for YOKOHAMAは、今回企画した「デジタルツインみなとみらい」を含む、横浜のデジタルツインを実現するべく、引き続き、様々なアクションを展開していきます。

応募企画「21世紀のデジタルインフラ「デジタルツインみなとみらい」の構築と運営」

概要

デジタルモデリング&センシングにより、物理空間の「双子(ツイン)」をサイバー空間上に作り上げ、高度な空間シミュレーションや誰も体験したことのない仮想・拡張現実体験を可能とする「デジタルツイン」を、MM21地区を対象にプラットフォームとして構築し、MM21地区のビジネスプレーヤーや市の各局が常時利用可能となるような、デジタルインフラとして運営する。MM21地区の魅力増進の強力なエンジンとなる。

詳細

ターゲット

大きく2つの領域をターゲットとする。

  1. まちづくり関係のプレーヤーにデジタル3次元空間シミュレーターを提供
    • デベロッパー
    • 施設や設備等のメーカー
    • 非営利組織
    • 市の都市計画、建築等都市デザイン担当
    • まちづくり対象地域の市民
  2. バーチャルもしくは物理的場所とひもづいたオンラインイベントの興行主にVRプラットフォームを提供
    • イベントの実行委員会とその関係組織
    • イベント参加者

課題や欲求

  1. ニューノーマル時代のオフライン興行や経済の停滞
  2. 高度なまちづくり施策における市民からの理解獲得が困難
  3. 都市空間関連の施策(まちづくり、許認可等)における重複投資や無駄(製作した知的創造物が1回限りで繰り返し使われない)の発生
  4. 日本でも屈指の先進都市MM21地区のブランドを先端テクノロジーでアップデート

解決策

MM21のデジタルツインプラットフォームを構築し、MM21関連のステークホルダーや市民及び観光客に使っていただくことで、上記の課題解決を目指す。

  1. 全く新しいタイプのVR/AR活用オンラインイベントの企画・開催が可能となる。
  2. デジタルツイン上のまちづくりシミュレーターが表現する市街地の変化を市民がリアリティのあるVRで体験可能となるため、対話が促進及び深化される。
  3. 様々な分野、部局で実施される都市空間関連の施策で作られた知的成果物が、横浜のデジタルアセット(資産)として蓄積されるようになり、その魅力を高めつつ未来永劫利用可能となる。
  4. デジタルツインの活用により働き方、生活、観光といった多様な場面で利便性を向上させ、都市体験の満足度を向上させる。

企画の独自性

想定される競合企業とそのサービス: Google(Google Earth)

競合企業のサービス内容とその特長: Google Earthは、デジタルツインを同社が独占的に占有しているため、特定の自治体の多種多様なステークホルダーの意思をくんだデジタルアセットとして蓄積する今回提案するプラットフォームとは方向性が異なっている。

MM21地区にもたらされる効果や新規性(目新しさ)

もたらせれる効果

  1. ニューノーマル時代に横浜市の新しい魅力を開拓可能
    • 今回のサービスを用いることで、従前の発想の枠を取り払ったVR/AR活用オンラインイベントを企画・開催が可能となる。
    • ポケモンGoに見られるように、バーチャル内でのイベントであっても、リアルワールドの実際の現場に足を運ばないと体験できないなど、リアルワールドとバーチャルワールドをシンクロさせることで、パラレルワールドをまたにかけた体験を提供可能となる。
      • ランドマークタワー頂上からバンジージャンプ大会
      • デジタルツインの大観覧車ライトアップコンテスト(大賞作品は実物で再現)
      • ピカチュウリアルとバーチャルであちこちに出没中
      • MM21頂上決戦ガンダムVSエヴァンゲリオン(操縦席視点で操作も可) 等
  2. まちづくり関連の費用対効果向上
    • 一つのプラットフォームで、「まちづくりのシミュレーション(景観、日照、風量、人流)」と「シミュレーション結果のリアルなVR市民説明」や、「都市空間関連のオンライン及びデジタル許認可業務」が可能となる。
    • VR市民説明は、従前の紙及びイラストベースのものとは次元の異なる市民理解が得られるため、市民対話のあり方が深化する。
  3. 横浜市のDX(デジタルトランスフォーメーション)への貢献
    • 今回のサービスは、都市空間関連のデザイン業務や許認可業務のデジタル化の基盤となる。

新規性(取り組みの目新しさ)

  • デジタルツイン自体はスマートシティの文脈で昨今注目されているが、このままだと、各所で作られる3次元都市モデルが「ショット(1回限り)の使い捨てデータ」となる懸念がある。本企画のプラットフォームを活用することで、「社会(横浜市)のデジタル資産」として蓄積可能となる。
  • 「俯瞰的な都市シミュレーション(鳥の目)」と「現場目線での体験(虫の目)」を、シームレス・一気通貫とし、都市デザイナーや都市機能提供者と、それらを体験・需要する市民との間の意思疎通に対して、画期的なブレークスルーをもたらす。

想定している連携先

想定される連携企業

逆に、本構想に関心、活用したい意欲のある企業や市の部局を紹介いただきたい。

連携内容

  • デジタルツインシミュレーターを用いた許認可に関わる実証事業への参加
  • デジタルツインVR空間におけるオンラインイベントの企画及び開催
    • エンターテイメント性の高いイベント
    • 企業活動のPRを目的とした企画展
  • 協賛

提案の実現に必要なリソース

  • 国土交通省「国土交通プラットフォーム整備計画」に基づき整備されるMM21地区の3次元都市モデルデータをオープンデータとして市の関連部局より提供いただく。
  • 現在、紙等のアナログ的な手法で行われている占有やイベント実施の認可、住民説明会について、本プラットフォーム上で実証を行いつつ、将来的にはデジタル・オンラインでも可能とするDX(デジタルトランスフォーメーション)を市の関連部局に実行いただく。

自由回答欄

  • 今回企画を図示したものを以下に記します。 「デジタルツインみなとみらい」の構築と運営のイメージ図

エントリ後にいただいた追加の質問への回答

提案内容を本事業の特徴である「みなとみらいエリアとしてやる意義」

みなとみらいは日本屈指の先進都市であり、高いブランド力を誇る。みなとみらいでは先進的な都市計画に基づいたハードが整備され、また、その上にソフトとして文化施設、商業施設等をが充実している。そうした都市環境の中で人々の営みが豊かに育まれてきた。

しかし、コロナ禍を経験した社会において人々は新たな生活様式を模索しはじめており、とくに、ヒトモノコトを高密度に集約することで発展してきた都市についても、新しい発展の方策を考える必要に迫られている。

本提案はリアル空間とバーチャル空間を組み合わせることで、まったく新しい、まちづくりのあり方、そして、人々の営みを提供しようとするものである。誰も経験したことのないチャレンジであり、みなとみらいという高い先進性を備えた都市にこそ相応しいと考えている。

提案内容のビジネスモデル(誰からどのようにマネタイズするか)

モデル1:都市計画・まちづくりのDX(デジタルトランスフォーメーション)

  • 事業内容 : バーチャル空間では建築工事による影響を事前に体験することができるメリットを活かし、都市計画や建築計画といったハード整備事業において、事前のシミュレーションや地域市民とのコミュニケーションに活用。
  • 事業モデル : プラットフォームの提供、企画制作、コンサルテーション
  • 想定するクライアント : デベロッパーや横浜市

モデル2:マーケティング&エンターテインメントのDX

  • 事業内容 : 企業活動や製品PRやブランディング、エンターテイメントにおいてバーチャルとリアルを連携させた各種イベントを企画実施。パシフィコ横浜で実施されるような、企業の製品やサービスの展示会をバーチャル空間で実施するといった用途にも応用可能。
  • 事業モデル : プラットフォームの提供、広告、企画制作、コンサルテーション
  • 想定するクライアント : 企業、エンターテインメント業界、広告代理店、横浜市